By: kojima 有効: 4月 24, 2016 In: BLOG Comments: 0

尊敬するお友達の小島さんが、とても面白い本を上梓されました。
帯を見ると、今どきの電車の中吊りに多い、「○○だけやれば、あっという間に効果が!」みたいに見えますが、内容はきっちりしたストーリーと、簡潔かつ充実したビジネス理論で構成されています。
過剰な演出もなく、でも、様子が目に浮かぶような、経営不振の会社がヨソ者の登場をきっかけに立ち直る、素敵な話です。
マーケティングの理論、決算書の読み方、コーチングマインドと、経営に必要な要素がしっかり入っています。

一気に読んで、読み返しながら改めて思うのは、結局のところ、人が動かなければ、何も変わらないということ。
時々、うちの会社は人材難で、という話を聞かされます。自分から動かない、指示待ち、言うことを聞かない、工夫がない・・・・。でも、それって、その人だけのせいなんでしょうか?
人材を、「人財」だの「人罪」だのと言い換えて、社員を責める様子を見たこともあります。
指示・命令の上下関係はあっても、人は本来対等なもの。相手の気持ち、考えを理解し、こちらの思いをきちんと伝えることをせずに、期待に添わないからと、ダメ社員のレッテルばかり貼るのは、それこそ罪ではないかなと。
時間がない、忙しい、そんなことわかっていたって・・・。
でも、そこをなんとかするのが、組織をリードする人達の役目だろうと思うのです。

この本は、つぶれそうな地方書店が舞台です。当然のことながら、ライバルは大手チェーンの書店と、ネット書店。だけど、チェーンの書店の運営だって、ネット書店だって、人がいなければ動きません。
いつか、完全に自動化されるかもしれないけれども、プライム配送サービスで、大急ぎでピッキングし、真夜中に運送し、配達してくれる人、苦情に対応してくれる人、システムトラブルを修復してくれる人がいなかったら、やっぱり事業は成立しない。
人と向き合う、人も自分も大切にする、そんな基本的な姿勢が、やっぱり大切だと再認識させられました。

お近くの書店で見つけたら、是非読んで下さい。
(本当は、リアルな書店で買ってほしいのですが、Amazonでも買えます。)